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実行委員長ご挨拶
多摩美術大学ミニプリントトリエンナーレは、1995年の発足以来、今回で4回の開催となります。今回も世界81か国・地域から約1105点もの多くの出品がありましたことは、実行委員会にとりまして、まことに嬉しいことです。また、今回の展覧会は、多摩美術大学の創立70周年記念行事の一環でもあります。
特に今回は、過去の入選作家を中心とする、作家招待制をとっていますので、高水準の国際的な作品が多く展示され、世界各国の版画芸術の隆盛が一目瞭然の展覧会になっています。それぞれの作家による多彩な視点からの作品の数々が、私たちの生きている世界の情勢を見据える、意義ある展覧会を構成しています。
急速に科学技術が発展し、多様な価値観が生まれる今日にあって、その状況を反映する芸術表現も多彩なものに成って来ています。その中で、版画芸術は、技法の革新が新しい表現に結びつくという点で、未来に開かれた芸術手法であるといえます。
版画芸術が、地域と言語を超えて、国際交流の実を結ぶ事が出来る、優れた表現手法であることを、この展覧会は実証しています。作品鑑賞をとおして、世界の人々との対話が深まり、理解や友好が促進すれば幸いです。
この展覧会に参加されました多くの出品作家の皆様はじめ、審査員、事務局スタッフ、関係者各位のご尽力に、厚く感謝申し上げます。
多摩美術大学学長
高橋史郎