A running cutie and walking scammers.
齊藤 隆嗣
担当教員によるコメント
散らばる木材や布や雑物は、それぞれ組まれてはいるが、どれも途中の状態のようである。作者は「無責任な余剰」と語る。ただ、雑な状態ではない。細部に反応しながら繊細に位置が決定されている。所々に置かれた黒い立方体の表面は、パターン化されたキャラクターの地模様で覆われているが、光線の加減で浮かび上がったり消えたりするぐらいの繊細な文様である。彼は、かつては絵画作品としてこの地模様を機械的に描いていた。それがボックスとなり、そしてインスタレーションの一部となる。現れては消えるイメージ。そして、組んだ木材の上部でも布に投影された小さな猫が回り続け、現れては消える。つかめない主張。そこには、確実なものが何も無い現実に対峙しようとする態度がある。
教授・髙柳 恵里
- 作品名A running cutie and walking scammers.
- 作家名齊藤 隆嗣
- 作品情報素材・技法:インスタレーション、ミクストメディア
サイズ:可変 - 学科・専攻・コース
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