川下り, 海の見える丘
渡部 未乃
担当教員によるコメント
渡部は、ありふれた身の回りの景色の中から独特のトリミングで画面を構成する。その感性が不思議であり魅力的だ。あえて言葉にするなら、音の無い世界、時の止まった世界、乾いた空気、不在感…、なかなか形容しがたいが、神秘的で心地良い空間である。見方次第では舞台の書き割りのように見えるかもしれないが、そこが更に鑑賞者一人ひとりの想像力をかき立てる要因となっている。岩や水、空や草が描かれた画面は明快で、声高に主張する訳ではないのに、その世界に引き込まれてしまう。緻密なドローイングを何枚か用意し、大きなキャンバスに向かうと、あっという間に完成させてしまう。その制作方法は合理的で、細部に拘らないスケールの大きい作風と共に、他人がまねの出来ない武器である。
教授・野田 裕示
- 作品名川下り, 海の見える丘
- 作家名渡部 未乃
- 作品情報『川下り』
技法・素材:アクリル、油彩、クレパス、キャンバス
寸法:H194×W391.5cm
『海の見える丘』
技法・素材:アクリル、クレパス、キャンバス
寸法:H130.5×W162cm - 学科・専攻・コース
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