3-24 |
(6) 秋山孝最新情報 |
up date:2004-07-02 |
会場風景 |
講評の様子 |
The Society of Publishing Arts,Bill document,297×210mm |
総会・会場風景 |
講義風景 |
「イラストレーション学の確立」
多摩美術大学の共同研究で「イラストレーション学の確立」を旗印に1998年から「イラストレーション研究・Illustration
Studies」をスタートした。多摩美術大学は、日本のなかでイラストレーションの教育が進んでいて、しかも、優秀なイラストレーターを最も多く輩出している実績のある大学である。それには創設者杉浦非水をはじめ、山名文夫らの卓越したイラストレーターの指導が大きな要因になっていることは間違いない。図案科からグラフィックデザイン学科へとつながる学科の歴史からも必然といえよう。
そこにおいて、意外とイラストレーションに対して、これといった確固たる概念や理念を見い出すことが学門としてできなかった。学問的研究が、体系的になされていないため、ぼくのテーマである「ビジュアルコミュニケーション表現の可能性」を基にぼくが代表となり、研究プロジェクトを立ち上げ、イラストレーション学の確立を目指すこととなった。そして、研究書、技法書、展覧会カタログなどを発行し、発表している。
イラストレーションは、文字によるコミュニケーションとは異なり、絵(図像)を使用したビジュアルコミュニケーションをなりわいとしている。イラストレーション表現は、一目で理解でき、インターナショナルな視覚言語の役割を持っている。その能力は、最近は高く評価され、ビジュアル時代とも言われている。とくに若いジェネレーションには、イラストとよんで、絵画などと区別
してオシャレな趣味であったり、コンピュータのちょっとしたアイコンにしたり、ポストカードに描いたり、身近なビジュアル表現になっている。文字では、伝達しずらい感覚や感性を絵で表現して、美的なコミュニケーションを実現している。
イラストレーションは、あくまでもメディアのなかで活躍するビジュアル表現のため、一般
ではなかなかその構造の理解が困難である。つまり、15世紀に発明された印刷メディアから現代の電子メディアによるIT革命まで理解し、さらに絵画的思想なども研究しなければならないからである。
「イラストレーションの講座」
1994年にイラストレーションの講座を担当して以来、「イラストレーションとは何か」という疑問が沸き起こってきた。それ以前もイラストレーションについてはそれなりに研究をしてきたが、さらに深く思考することになった。
世界のグラフィックデザイナーやイラストレーターに「イラストレーションとは何か」という質問をし、その取材を試みている。そこからイラストレーションの生きた言葉を見つけだし、新たなイラストレーションの概念をつくりあげようという試みである。それにともない、大学の講座ではイラストレーションというひとつの枠組だけの講座ではなく、その専門分野から考えられる多目的な講座を設けた。さらに静止画としてのイラストレーションから、動画としてのアニメーションの講座を導入した。
そのひとつに、「コンセプチュアル・イラストレーション」という講座を設け、1995年から計画的に指導と研究をしてきた。それは、イラストレーションの役割について美術の各分野との違いを見つけだし、機能や目的の側面
から導き出したものである。あくまでもさまざまな分野を行き来し、新たに発生するメディアを前提に考えなければイラストレーションではない、ということに行き着いた。
学生の作品集を出版する目的は「イラストレーションは、メディアを通過することによって成立するビジュアルコミュニケーション表現である」ため、印刷の体験が重要であると考えているからである。この経験を生かし、各自の表現を広げ、積み重ねることによってイラストレーションの独自性を理解し、大学に於ける学習の一つになることを目指している。
ここにある図版の作品集は、グラフィックデザイン学科、表現デザインコース・イラストレーションクラス(3年生)の作品で、コンセプチュアル・イラストレーション講座の「Dictionary
of Visual Language A to Z」「AからZまでの言葉を一語選択し、各自のイラストレーション辞典をつくる」という課題と、藤掛正邦講師が担当する立体イラストレーション講座の「ロボット」という課題、また表現デザイン講座では「メッセージイラストレーションポスター
/ テーマ:自然、人間、人工物」という課題である。ここでの学習は、他分野とイラストレーションの違いを見つけ、魅力的なフィールドであることを認識し、ヴィジュアルによる豊かなコミュニケーションを経験する。そして「学生の自主性」を重んじ、「知的意欲」を高揚させ、「各自の問題意識」を認識させる。それが、イラストレーションで表現することにおいて、最も重要なことだと考えるのである。
「イラストレーションは思想の小川のようなものだ。」
1998年6月にイラストレーション学の取材をワルシャワで行なった。その結果
、表現すること、イラストレーションの可能性、個人のスタイルについて、かいつまんでまとめてみると下記のような考えが整理できた。従来のイラストレーションに対する考え方が、21世紀に向かって新たな考えが提案された。
―表現することに思想がある―
フィンランドのデザイナーのタパニ・アルトマ氏はイラストレーションとは何か、という質問に「イラストレーションは思想の小川のようなものだ。それはやがて海になる。」と答えた。それは、いかにもフィンランドのポスターの父と呼ばれるだけあって、ビジュアル表現の力に対する自信と確信のある実態をともなった証言のように思われた。イラストレーションには、やはり深いその人の考え貫かれたものがなければ、ビジュアルコミュニケーション表現をすることが出来ない、ということをよく読み取ることが出来る。さらに、イラストレーションをメディアの中でデザインすることで、それを新たに、より熟成した表現にするという例えをよく理解出来た。
―イラストレーションの可能性―
ワルシャワの取材を通して、イラストレーションという言葉の解釈の違いがあることを知った。従来の説明画的イラストレーションと位
置付けているが、それとは違って、新しいメディアに対応したビジュアルコミュニケーションの能力を持った表現者がいることが分かった。さらに、おしなべて従来の説明画的なイラストレーションではなく、さらに一歩前進したコミュニケーションの表現を模索していることが言葉から読み取れた。また、従来の絵におけるコミュニケーションの概念を越えるためには、そこにどのような思想を持たなければいけないかと葛藤を繰り返す表現者を見た。
取材した表現者達は、イラストレーションの持っている能力をさらに魅惑的に現代において理解している。つまり、イラストレーションのビジュアルコミュニケーション表現の今後の可能性をここから導きだすことができるだろう。
―イラストレーション表現の個人のスタイル―
なぜ、自分のスタイルの必要性を皆が主張するのだろうか。オリジナルな表現で人の心をつかみ、さらにイラストレーションのもっている機能を果
たしたいという他のジャンルには見当たらない考えが見えてくる。このあたりにイラストレーションの持っている必要性がまさに現代において見い出すことが出来る。
レフ・マエフスキは「世界中でコミュニケーションの方法は変化しているが、これから先は、よりパーソナルなコミュニケーションになるだろう。」と予見している。そこには、オリジナルな自分のスタイルがあることで、ビジュアルコミュニケーションの深さを追求し、実現出来ることを目指している。
そしてさらに、ピオトロ・ムドゼニエッツは「イラストレーションとデザインはひとつだ」と語った。
(2004年3月5日 秋山孝 多摩美術大学教授)
多摩美・ヘルシンキ美術大学イラストレーション共同授業・展覧会カタログ
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新しいイラストレーション入門(誠文堂新光社)・技法書テキスト | 研究書・イラストレーションスタディーズ(多摩美術大学) |
イラストレーション・学生展ポスター
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コンセプチュアル・イラストレーション展・会場風景 | メッセージ・イラストレーション展・会場風景 |
イラストレーション・授業風景・多摩美術大学
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イラストレーション・学生展ポスター
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シュールレアリスム・イラストレーション展・会場風景 |
学生イラストレーション作品・卒業製作・千田昇平
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イラストレーション研究・インタビュー・シーモアクワスト・スタロヴェイスキ・アルトマ・シュヴェイジ・バラン・ソマーズ・ロソハ、他 |
(update
040414kondo)
【作品コメント】 「赤い靴」 すでに名作童謡、野口雨情作詞、本居長世作曲「赤い靴」のなぞ解きや誕生の謂われは、有名な話なのでぼくがとやかく言う必要はありません。なにしろ「赤い靴」の赤のイメージが強く、赤一面 の中に横浜の波止場から船が出港する情緒的な可愛らしさを描きたかった。童謡の持っている穏やかでほの悲しいロマンチックな感情は、子供たちが生長してゆく過程にとって重要な要素だと思っています。音楽と詩と絵は、お互いに響きあい、美しい音色を奏でます。その余韻をぼくは赤の色と小さな船で現してみました。現在では、このような情緒はあまり見当たらないが、この曲を聞くたびに切なくなったり、感傷にふけったりする魔力があります。おそらく何百年たっても「赤い靴」は歌いつがれていくでしょう。(2004.04.08) |
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Red Shoes / 2004 / 210 x 210 mm / acryl gouache |
(update 040414kondo)
Interview about "Character",International
Herald Tribune/The Asahi Shimbun (English paper)
Written by Miyuki Kondo, International Herald Tribune / The Asahi Shimbun,21-22.2004
issue
ヘラルド朝日新聞(英字紙)より「キャラクター」について取材を受ける
記者:近藤深雪・インターナショナル・ヘラルド・トリビューン/朝日新聞社・2004年21日-22日版 (update
040304 kawa)
[International Herald Tribune/The Asahi Shimbun, 2004.21-22 edition,extraction]
But for some,Kitty's broad and long-lasting appeal is a mystery. The secret
lies in Kitty's simple look, according to illustrator Takashi Akiyama, a professor
at Tama Art University in Tokyo."Its simplicity can be linked to a Noh
mask.At a glance, the dot eyed face without a mouth looks expressionless.But
the simplicity stirs your imagination.Thus, you never get bored, even if you
see Kitty every day," he says. ("30 years on,Kitty still the world's
most beloved cat"Written by Miyuki Kondo)
【ヘラルド朝日・2004年21日-22日版・抜粋】
長く多くの人に支持されているキティーの魅力はミステリーです。 イラストレーターで、多摩美術大学教授の秋山孝氏によれば、秘密はキティーのシンプルな顔の表情にあるといいます。「そのシンプルさは、能面
のような研ぎ澄まされたものです。パッと見ると、口がなく目も点で、その顔は無表情に見えますが、シンプルさが私たちの想像力をかき立てます。たとえ私たちが、毎日キティーを見ても、決して私たちは退屈することはありません。」と秋山氏は語っています。(記者:近藤深雪)
(写真左)「第4回国際ポスター展inはな・はる・フェスタ・図録」・(写 真右)第4回国際ポスター展・会場風景2003年4月27〜29日 |
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イラストレーション集 「Takashi's Characters Book」 「Words of the Left Handed」 「The Great Characters-1 ̄9 Takashi Akiyama」1989〜2001 |
"Great Characters-9 Takashi Akiyama" |
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TECKNAREN (The Illustrator) Special issue "SASHI E GA KA",cover Illustration:Takashi Akiyama |
TECKNAREN (The Illustrator) Special issue "SASHI E GA KA",Takashi Akiyama's page |
Witold Gombrowicz 100th anniversaryposter |
The competition held in commemoration of the Polish writer,
the birth the 100th anniversary of Witold Gombrowicz. It is the poster produced for"Konkurs na plakat poswiecony mysli Witold Gombrowicza" [Organisers] Poster Museum at Wilanow-Division of the National Museum in Warsaw Polish Poster Foundation,Ateneum Foundation [Theme] "Running away presupposes the will to run away. (Ferdydurke) " ポーランドの作家、ゴンブロヴィチの生誕100周年を記念して行われるコンペ、 「Konkurs na plakat poswiecony mysli Witold Gombrowicza」のために制作したポスターです。 主催 :ポーランド・ワルシャワ・ヴィラノフポスター美術館 テーマ :「逃走することは逃走する意志を前提とする」(フェルディドゥルケ) |
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Calendar Illustration:Takashi Akiyama
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1994年に多摩美術大学でイラストレーションの講座を担当して以来、「イラストレーションとは何か」という疑問が沸き起こってきた。それ以前もイラストレーションについてはそれなりに研究をしてきたが、さらに深く思考することになった。その結果 、「イラストレーション学の確立」という旗のもとにさまざまな試みを行ってきた。 多摩美術大学は、日本の中で特にイラストレーションにすぐれた表現者が数多く輩出している実績がある。それには創設者杉浦非水をはじめ、山名文夫らの卓越したイラストレーターの指導が大きな要因になっていることは間違いない。図案科からグラフィックデザイン学科へとつながる学科の歴史からも必然といえよう。そこにおいて、意外とイラストレーションに対して、これといった確固たる概念や理念を見い出すことが学門としてできなかった。それで、ぼくのテーマである「ビジュアルコミュニケーション表現の可能性」を基にイラストレーション学の確立を目指すこととなった。 今回の出品作の「Illustration Studies-11,Tama Art University」は、多摩美術大学のイラストレーション学研究のためのもので、イラストレーション学研究の認知を国際的にさせるために制作したものである。1997年の「Fax Art Project Tokyo-Helsinki」展のポスターから数えると、11作目の Illustration Studies ポスターとなる。ポスターの持っている「人に伝える機能」は、十分果 たされている。これからも定期的にイラストレーション学研究のポスターを制作していきたいと考えている。イラストレーションを多角的に検証し、新たな方向と領域を発見すべく「Illustration Studies」の目的として意義あると考えている。 |
Illustration Studies,Booklet |
会場の様子 | 武蔵野美術大学前理事長・前田常作さんと秋山 |
Acryl Award 2003 2003
Catalog Illustration:Sanjuro Imai |
2002 Catalog Illust: Daisuke Tamano |
2001 Catalog Illust: Toru Teranishi |
2000 Catalog Illust: Taichiro Kawanishi |
1999 Catalog Illust: Hiroshi Honma |
1998 Catalog Illust: Takashi Akiyama |
「桜はだいすき!」ポスター/"We love cherry blossoms" poster、「潮干狩り」ポスター/"Shellfish gathering" poster |
Lecture,"Illustration of the world"
instructor:Takashi Akiyama
24.Apr,22.May,26.Jun.2004 (Tokyu
Seminar Be Shibuya)
「世界のイラストレーションを訪ねる 英・仏・米・ポーランド・そして日本」講義
講師:秋山孝・ 2004年4月24日、5月22日、6月26日(東急セミナーBE渋谷)
(update 040226 kawa)
日時・カリキュラム:第4土曜日・AM 10:30〜12:30 |
Illustration:John Tnniel,Alice in Wonderland
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BMW Japan,"Mini 2nd Anniversary"
Exhibition,"MINI MINI MOTOR SHOW"
28.Feb-11.Apr.2004 (Tokyo,Osaka,Fukuoka,Nagoya)
BMW ジャパン・「Mini 2nd Anniversary」
「MINI MINI MOTOR SHOW」参加
2004年2月28日〜4月11日(東京・大阪・福岡・名古屋)
(update 040224 kawa)
[Tokyo] 28-29.Feb.2004,open : 11:00-18:00,place : RoppongiHills"Arena"
[Osaka] 06-07.Mar.2004,open : 11:00-18:00,place : Namba
Parks 2F"Canyon Coat"
[Fukuoka] 13-14.Mar.2004,open : 11:00-20:00,place : Fukuoka
Tenjin Daimaru1F"Pasaju Hiroba"
[Nagoya] 10-11.Apr.2004,open : 10:00-20:00,place : Matsuzakaya
Honten south bld.1F "Organ Hiroba"
Reference : Creation Gallery G8 : 03-3575-7915
Akiyama's Miniature car / 秋山のミニチュアカー |
Illustration : Takashi Akiyama |
"Departure" 2004, 200 X187 mm,serigraphy,a Limited Edition 100 sheets (AP/Serigrapher 30,AP/Akiyama 20) | "Growth" 2003 Graduation Commemoration Serigraphy |
2004 New Year Post Card Illustration,Design : Takashi Akiyama |
上段左から秋山孝、マリア・クルピク氏、UGサトー氏、青葉益輝氏、 下段中央、勝井三雄氏 |
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【秋山孝長岡コレクション履歴】 第一次秋山孝長岡コレクション:73点・ 第二次秋山孝長岡コレクション:71点・ 第三次秋山孝長岡コレクション:271点・ 第四次秋山孝長岡コレクション:16点・合計427点(040120) |
2001-05 Fgoppe's Wings,2001,1030 X 728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster | 2001-06 What's Justice?,2001,1030 X 728 mm,Serigraphy,Peace Poster | 2002-01 Time Flies Like An Arrow,2002, 1030 X 728 mm,Srigraphy,Exhibition Poster |
2002-02 Message Illustration Poster 2002,2002,1030 X 728 mm,Offset Printing,Exhibition Poster | 2002-03 Illustration Studies 6,2002,1030 X 728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster | 2002-04 Small Art Exhibition,2002,1030 X 728 mm,Offset Printing,Exhibition Poster |
2002-05 Jingle Triangle Bell Festival 2002, 2002,1030 ×728 mm,Offset printing,Event Poster | 2002-06 Takashi
Akiyama Poster,2002,1030 ×728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster |
2002-07 Homage Jun Tabohashi (crane), 2002,1030 ×728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster |
2002-08 Homage Jun Tabohashi (turtle),2002, 1030 ×728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster | 2002-09 Homage Jun Tabohashi (koi),2002, 1030 ×728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster | 2003-01 Visualogue,2003,1030 ×728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster |
2003-02 Dessin (Illustration Studies-9),2003, 1030 ×728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster | 2003-03 Illustration Studies-11,2003,1030 ×728 mm,Serigraphy,Exhibition Poster | 2003-04 Green Consumer,2003,1030 ×728 mm,Serigraphy,Campaign Poster |
2003-05 This is a non-smoking facility,2003, 1030 ×728 mm,Serigraphy,Social Poster |
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アメリカ最大の新聞「ワシントンポスト」から日本人のぼくにウィークエンド版表紙のイラストレーションの依頼がきた。テーマは「クリーン・ザ・エアー」で、喫煙をテーマとした内容だった。その掲載は2003年9月12日のカラー版の表紙となった。依頼がきたのはE-Mailで、ダイレクトにぼくのコンピューターに送信されてきた。なにしろ雑多なメールがほとんどで、重要なものなのか判断がつかないほど世界からやってくる。言語は英語が中心で日本人のぼくにとってみると、このスタンダードな言語は日本語と比較して難解なものだ。 しかし、IT革命は国境を越え、ぼくたちにコミュニケーションのシステムのかたちを変え、また時間の概念もすっかりスピードアップした。上記のワシントンポストのデスクとのコミュニケーションも英語と画像のやりとりで徐々に正確なものへと導かれながら仕事は進んでいく。だが一度も見たことのない顔や声を想像しながらコンピューターに向かう悲しさがあり、これが国際コミュニケーションだと思うとやるせない気持になる。 テーマの喫煙に対する問題は、日本もアメリカも同様に大きな議論する内容で、少しも差異を感じない。だからアメリカから日本人のぼくに指名されてもなにも不思議はないだろう。 今回のポスター作品は、このテーマに沿って何点かのイラストレーションを創作した中から、2点はワシントンポスト誌上に掲載され、もう1点のバリエーションの作品をB1ポスターのイラストレーションとしてデザインした。禁煙についてはぼくも異論はなく、禁煙に対して同感する。そこでビジュアルコミュニケーションの表現として、タバコのロケットに身体が縛られ飛ばされていくイメージを描き、キャッチコピーとして「This is a non-smoking facility(ここは喫煙施設ではありません)」とつけた。 |
The Washington Post Weekend / September 12.2003 / Illustration by Takashi Akiyama for The Washington Post / 320 x 280 mm 新聞/ワシントンポスト紙Weekend(米国版)/ 2003年9月12日/ イラストレーション:秋山孝/ 320 x 280 mm |
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